涙が出ない

 水面にずっと浮かんでいるような浅い眠りが続いている。日常生活のそこかしこがおぼつかない。ユニットバスの電球が切れた、なぜかお湯がぬるい、給湯器の温度を上げすぎるとガス代が高くなりそうで怖い、だから湯船にお湯を張ってもすぐ冷める。街道沿いには夜更けでもでかい声で話す馬鹿どもが一定数いる。夜は寝ている人がいるから小さい声で話す、大人になってもそれすらできないのか。全ての物事が自分から遠い。一体私が何をしたっていうんだ。どうしても明るい気持ちになれない、そのことにまた傷つく自分があほらしい。胃のあたりがじわじわと痛んで、肩甲骨の周りがこわばっている。一体私が何をしたっていうんだ。健康な体に産んで欲しかった、あるいは健康になるように運動をさせて欲しかった。車移動が基本の広々とした土地に越した方がいいのかな、なんとなく。こうなったら永住できる土地が見つかるまで移動を続けてやる。