太っちょのおばさんのために

 これといって特別好きなことがない。いや、好きなことはある。でも、それに没頭できない。なんでだ?休日になるとぼんやりと、あてもなくただ考え事をしている。絵とか音楽とか映像とか、そういう創作につながればいいんだけど、いざ手を動かしてみると何も浮かばなくなる。いつも心のどこかが虚しさで満ちている。高校にいたときとコスモにいたときはまだ、本を読んだり映画を見たりできていたような気がするけれど、バイトを始めてからエネルギーが全部そっちに持っていかれた。

 一体どうしちゃったんだよ、きみは?きみの頭はどこについてるんだ?きみの受けたのが畸形な教育だったなら、せめてそれを使ったらいいじゃないか、使ったら。「フラニーとズ―イ」

 バイトは私を健康にしてくれたけれど、生きる喜びは感じられない。私はカメラになって、そこにいる人達をずっと映している。結局まだ居場所が見つからない。世間の大抵の人たちがそうであるようにせっせと働いて生活に専念することもできないし、芸術畑の人みたいに創作に専念していくこともできない。いつも心のベースに、親のお金がいつまでもつか分からないっていうのが作り出す、水面に浮かんで生きているみたいな浮遊感がある。今ふと水鳥みたいにいつかそれが普通になるのかなってよぎるけど、水鳥は絵を書かない。家猫も音楽を作らない。自分に合う服を見つけてあげられない、それが悲しい。