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表に出す、かたちを与える

殻を破れないだけだ。内側を掘ればそこには世界がある。開くことを恐れてはいけない。閉じることは安全だけれど光が見えない。つながりも生まない。ずっと一人で、自分だけ。鳥は一人だけれど寂しくないのだろうか。虫も一人、魚も一人、木も一人、でも決して単体では存在しえない。そういうことが言いたいのではない。これはあくまで自分のこと、自分を通して世界を見ること、自分に合った世界を作る、見つけること。

 

自分が何が好きなのか、何がしたいのか、分からないのがもどかしい。好きなことはもちろんある、でもそれは好きであって私のためのものではない。何もかもが決定打を欠いている、目に映る世界でさえも。ただそこには人がいる、ほんの少しでも関わりがある人がいる、その人たちが生きている。ならばその世界を否定はしたくない。少しつらい。何をしているときが幸せか、幸せな瞬間はもちろんある、でもずっとしていたいことではない。幸せな瞬間のために日々の生活がある、労働がある、それは分かる。世の中の大半の人はそうして生きている。ただ私にはそれがどうしても辛い。ぜいたくな悩み、でも生きているからにはそうしたい。その思いが私の人生をどうにも厄介な方向に転がしている。人生、三分の一、四分の一、それはもう立派な人生、でもまだ物心つく前。表面上に起こっていることと、人生には、別にそんなに関係がないのかもしれない。何をしていても進むときは進むし進まないときは進まない。でもその途上ですばらしい物事を表に出す人と、生活がある人がいて、どうしたらいいのだろう。生活がわからない、かといって芸術も分からない。足元がない、大気に浮かぶチリみたいに方向感覚がない。とりあえず生活は続けないと。

やりたいことがあるならやりなさいとあなたは言った。