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あなたの血はどんな色

 キリンジの歌に、地を這うものに翼はいらぬという曲があって、そうだなあと思っていたら、「空高く飛ぼうとしない精神は地べたを這いつくばる人生を歩むだろう」っていう言葉を残した政治家もいたらしい。世の中にはいろんな考え方がある。その話を人にしたら、歩むも飛ぶも風向き次第と返された。実際風向きに合わせて自分の動きを変えられる人って少ないんじゃないかと思う。地を這うものは、地を這ううちに地を這う動きしかできなくなる。空を飛ぶものは地に足をつけて歩むことは苦しい。自分の置かれた場所に適応してそれが定着するから、自由は難しい。 

 

 ちょっと前に、前世が見える女の人がいる喫茶店に行ってきた。すっぴんの佐伯チズみたいな見た目のおばさまに見てもらったら、私の前世は古い順に、

  •  スイスの酪農家(女)
  •  中国の寺子屋の先生(男)
  •  ベルギーの町役人(男)

 だったらしい。働き者で一所でこつこつ働くタイプ。前世前々世が男だから女子大は向かないし、男性を見る目が厳しいから恋愛が難しいのよと言われた。あらゆる場所を転々としているしふらっと女子大に来てしまった。なんで自分の性質に逆らうことを求めてそれを実行してしまうのかわからない。血に逆らっているのかもしれない。

 私の家系で会社勤めしてるのは父親しか知らないし、父親は会社で働いているだけで偉いよね、って感じの人だ。山口出身で、福岡と東京と名古屋の大学を受けて、試験を受けきったのが名古屋の大学だけだったからそこに進学した。そこから就職して、職を失って、運よく出身大学から考えると不相応な企業に再就職した。私が8歳くらいの頃から地方転勤を何回もして、三年前茨城に戻ってきた。そもそもなんで茨城に就職したのか謎である。わからない。

 母は茨城県の真ん中あたりの海沿いの町で生まれた。中学からタバコを吸ったりパーマをかけたり拒食症になって死にかけたり、それから高校を中退して引きこもりになって過食症になって自分の部屋にゲロを溜めたりしていたらしい。結局19から27までは引きこもっていた。母は50半ばぐらいで、その年代の頃だと、社会的な扱いは引きこもりというより精神異常者なんじゃないかと思う。不登校のパイオニア的血筋。明らかに血が良くない。

 大洗町には磁場があって、地縛霊のドンみたいなやつがそこに住んで人の負のエネルギーを主食にして生きているのかもしれない。パッとしないな。

 血って強い力を持っているから、昔の人は生まれに重きを置いたんじゃないだろうか。そういうのって消えないんじゃないだろうか。見えなくなったけどきちんと存在していると思っている。